2012年3月14日

5.4.7 世界統治能力指標によるウクライナの発展度合

ウクライナがすべての指標で最低の水準を記録した状況下においてウクライナの統治能力がEU加盟国の最低水準に達していないことを世界統治能力指標は示唆しています。また2007年のEU加盟国であるルーマニアとブルガリアは政治的安定以外のすべての指標でEU加盟国中最低水準を記録しました。この二カ国の政府における統治能力はEU加盟国の最低水準ですが、ギリシャ政府の統治能力はルーマニアとブルガリアの水準に接近しています。ウクライナの市民の声と説明責任の指標は2004年以来改善していますが、その他の指標における2004年から2009年の期間での改善は取るに足らないものとなっています。そして2009年におけるウクライナのすべての指標は悪化しています。浮き沈みが政治的安定と汚職取締の指標で観測されています。欧州委員会の進捗報告と世界統治能力指標の評価が互いに補完しあっていることを考慮すると、権力の分離による政治的不安定が改革を停滞させているため、アクションプラン及び連合工程の実行が予定通り進んでいないようです。よってウクライナのEUの基準や規範に基づいた総合的な発展はENPの導入以来限られたものもしくは取るに足らないものであるということができるでしょう。

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目次

はじめに 1.序論 2. ロシアとしてのソビエト連邦との歴史的関係 2.1 ウクライナ国家の形成とその余波 2.1.1中央ラーダとウニヴェルサール 2.1.2 ヘトマン 2.1.3内戦とディレクトーリヤ 2.2 ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の成立...